『星名五郎太郎殿御返事』(佐前)(秘) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 仏曰(いわ)く「悪象等に於(おい)ては畏(おそ)るゝ心なかれ、悪知識に於ては畏るゝ心をなせ。何を以(もっ)ての故(ゆえ)に。悪象は但(ただ)身をやぶ(破)り意をやぶらず、悪知識は二つ共(とも)にやぶる故に。此(こ)の悪象等は但一身(いっしん)をやぶる、悪知識は無量の身、無量の意をやぶる。悪象等は但不浄(ふじょう)の臭(くさ)き身をやぶる、悪知識は浄身及び浄心をやぶる。悪象は但肉身(にくしん)をやぶる、悪知識は法身(ほっしん)をやぶる。悪象の為(ため)にころ(殺)されては三悪(さんなく)に至(いた)らず、悪知識の為に殺されたるは必ず三悪に至る。此(こ)の悪象は但身の為にあだなり、悪知識は善法の為にあだなり」と。故に畏(おそ)るべきは大毒蛇・大鬼神よりも、弘法(こうぼう)・善導(ぜんどう)等の流れの悪知識を畏るべし。略(りゃく)して邪見(じゃけん)の失(とが)を明(あ)かすこと畢(おわ)んぬ。
 此の使(つか)ひあまりに急ぎ候(そうろう)ほどに、とりあへぬさま(様)に、かたはし(片端)ばかりを申し候。此の後又便宜(びんぎ)に委(くわ)しく経釈(きょうしゃく)を見(み)調(ととの)へて申すべく候。穴賢(あなかしこ)穴賢。外見あるべからず候。若(も)し命つれなく候(そうら)はゞ、仰(おお)せの如(ごと)く明年(みょうねん)の秋下(くだ)り候(そうら)ひて且(か)つ申すべく候。恐々。
(平成新編0366~0367・御書全集1209~1210・正宗聖典----・昭和新定[1]0564・昭和定本[1]0419~0420)
[文永04(1267)年12月05日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[秘・念仏真言破折]
[※sasameyuki※]