爰(ここ)に或(ある)智人来(き)たりて示(しめ)して云(い)はく、汝(なんじ)が歎(なげ)く所(ところ)実(じつ)に爾(しか)なり。此(か)くの如(ごと)く無常のことはり(理)を思ひ知り、善心(ぜんしん)を発(お)こす者は麟角(りんかく)よりも希(まれ)なり。此(こ)のことはりを覚(さと)らずして、悪心を発こす者は牛毛(ぎゅうもう)よりも多し。汝(なんじ)早く生死(しょうじ)を離れ菩提心(ぼだいしん)を発こさんと思(おも)はゞ、吾(われ)最第一(さいだいいち)の法を知(し)れり、志(こころざし)あ(有)らば汝が為(ため)に之(これ)を説いて聞(き)かしめん。
(平成新編0382・御書全集0475・正宗聖典----・昭和新定[1]0581・昭和定本[1]0352)
["文永05(1268)年""文永02(1265)年"(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]