『開目抄 下』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

細雪の物置小屋

御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 法華経に云(い)はく「已今当(いこんとう)」等云云。妙楽云はく「縦(たと)ひ経有(あ)って諸経の王と云ふとも、已今当説最為第一(いこんとうせつさいいだいいち)と云はず」等云云。又(また)云はく「已今当の妙、茲(ここ)に於(おい)て固く迷ふ。謗法の罪苦長劫(じょうごう)に流(なが)る」等云云。此(こ)の経釈におどろ(驚)いて、一切経並びに人師の疏釈(しょしゃく)を見るに、狐疑(こぎ)の氷と(融)けぬ。今真言の愚者等、印(いん)・真言のあ(有)るをたの(憑)みて、真言宗は法華経にすぐ(勝)れたりとをも(思)ひ、慈覚大師(じかくだいし)等の真言勝れたりとをほ(仰)せられぬれば、なんどをも(思)えるはい(言)うにかい(甲斐)なき事なり。
(平成新編0559・御書全集0219~0220・正宗聖典0117・昭和新定[1]0809・昭和定本[1]0585)
[文永09(1272)年02月(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]