『兵衛志殿御返事(諫暁書)』(佐後)[真跡(断片)] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 かたがたのもの(物)、ふ(夫)二人をもっておく(送)りた(給)びて候(そうろう)。その心ざし弁殿(べんどの)の御ふみ(文)に申すげに候。さてはなに(何)よりも御ため(為)に第一の大事を申し候なり。
 正法(しょうぼう)像法の時は世(よ)もいま(未)だをとろ(衰)へず、聖人(しょうにん)・賢人もつゞ(続)き生まれ候(そうら)ひき。天も人をまぼ(守)り給(たま)ひき。末法になり候(そうら)へば、人のとんよく(貪欲)やうやくす(過)ぎ候ひて、主と臣と親と子と兄と弟と諍論(じょうろん)ひまなし。まして他人は申すに及(およ)ばず。これによりて天もその国をす(捨)つれば、三災七難乃至一二三四五六七の日(ひ)い(出)でて、草木(そうもく)か(枯)れう(失)せ、小大河(しょうたいが)もつ(尽)き、大地はすみ(炭)のごと(如)くを(起)こり、大海(たいかい)はあぶら(油)のごとくになり、けっく(結句)は無間地獄(むけんじごく)より炎(ほのお)い(出)でて上(かみ)梵天(ぼんてん)まで火炎(かえん)充満すべし。これてい(是体)の事い(出)でんとて、やうやく世間はをとろ(衰)へ候(そうろう)なり。
(平成新編1182・御書全集1090・正宗聖典----・昭和新定[2]1739・昭和定本[2]1401~1402)
[建治03(1277)年11月20日"建治01(1275)年11月20日"(佐後)]
[真跡・京都妙覺寺外一ヶ所(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]