一、御山籠(おんやまごも)りの御志(おんこころざし)の事。凡(およ)そ末法折伏の行(ぎょう)に背(そむ)くと雖(いえど)も病者にて御座(ござ)候(そうろう)上、天下の災(さい)・国土の難(なん)強盛(ごうじょう)に候(そうら)はん時、我が身につみ(罪)知り候はざらんより外(ほか)は、いかに申し候(そうろう)とも国主信(しん)ぜられまじく候(そうら)へば日蓮尚(なお)籠居(ろうきょ)の志候(そうろう)。まして御分(ごぶん)の御事(おんこと)はさこそ候(そうら)はんずらめ。仮使(たとい)山谷に籠居候(そうろう)とも、御病(おんやまい)も平癒(へいゆ)して便宜(びんぎ)も吉(よ)く候(そうら)はゞ身命(しんみょう)を捨て弘通(ぐつう)せしめ給(たま)ふべし。
(平成新編0641~0642・御書全集1356~1357・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0947・昭和定本[1]0689)
[文永10(1273)年01月28日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]