霊山会上(りょうぜんえじょう)の砌(みぎり)には閻浮(えんぶ)第一の不孝の人たりし阿闍世大王(あじゃせだいおう)座につら(連)なり、一代謗法の提婆達多には天王如来(てんのうにょらい)と名をさづ(授)け、五障(ごしょう)の竜女(りゅうにょ)は蛇身(じゃしん)をあらた(改)めずして仏にな(成)る。決定性(けつじょうしょう)の成仏は■(=灯-丁+焦)(い)れる種の花さ(咲)き果(このみ)なり、久遠実成(くおんじつじょう)は百歳の叟(おきな)二十五の子となれるかとうたが(疑)ふ。一念三千は九界即仏界、仏界即九界と談(だん)ず。されば此(こ)の経の一字は如意宝珠(にょいほうじゅ)なり。一句は諸仏の種子(しゅし)となる。此等(これら)は機(き)の熟不熟はさておきぬ、時の至(いた)れるゆへ(故)なり。経に云(い)はく「今正(まさ)しく是(これ)其(そ)の時なり、決定(けつじょう)して大乗を説く」等云云。
(平成新編0834~0835・御書全集0256・正宗聖典0175~0176・昭和新定[2]1229・昭和定本[2]1003~1004)
[建治01(1275)年06月10日(佐後)]
[真跡・玉沢妙法華寺外四ヶ所 身延曾存(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]