『減劫御書(智慧亡国御書)』(佐後)[真跡] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 此(こ)の大進阿闍梨(だいしんあじゃり)を故(こ)六郎入道殿の御はか(墓)へつか(遣)わし候(そうろう)。むかし(昔)この法門を聞いて候人々には、関東の内(うち)ならば、我(われ)とゆ(往)きて其(そ)のはか(墓)に自我偈よ(読)み候(そうら)はんと存(ぞん)じて候(そうろう)。しかれども当時のあ(有)りさま(様)は、日蓮かしこ(彼処)へゆ(往)くならば、其の日に一国にき(聞)こへ、又(また)かまくら(鎌倉)までもさわ(騒)ぎ候(そうら)はんか。心(こころ)ざしあ(有)る人なりとも、ゆ(往)きたらんところの人、人め(目)ををそ(恐)れぬべし。いま(今)ゝでとぶら(訪)い候はねば、聖霊(しょうりょう)いかにこひ(恋)しくをはすらんとをも(思)へば、あるやうもありなん。そのほどま(先)づ弟子をつか(遣)わして御はか(墓)に自我偈をよ(読)ませまいらせしなり。其の由(よし)御心へ(得)候へ。恐々謹言。
(平成新編0926・御書全集1467・正宗聖典----・昭和新定[2]1402・昭和定本[2]1131)
[建治01(1275)年(佐後)]
[真跡・富士大石寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]