日本国の中に但(ただ)一人(いちにん)南無妙法蓮華経と唱(とな)へたり。これは須弥山(しゅみせん)の始めの一塵(いちじん)、大海の始めの一露なり。二人三人十人百人、一国二国六十六箇国(かこく)、已(すで)に島二つにも及(およ)びぬらん。今は謗(ぼう)ぜし人々も唱へ給(たま)ふらん。又(また)上一人(かみいちにん)より下万民(しもばんみん)に至(いた)るまで、法華経の神力品(じんりきほん)の如(ごと)く、一同(いちどう)に南無妙法蓮華経と唱へ給ふ事もやあ(有)らんずらん。木はしづ(静)かならんと思へども風やまず。春を留(とど)めんと思へども夏となる。
(平成新編0968~0969・御書全集1241・正宗聖典----・昭和新定[2]1458・昭和定本[2]1168)
[建治02(1276)年閏03月05日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]