『曾谷入道殿御返事(如是我聞抄)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 所詮(しょせん)妙法蓮華経の五字をば当時の人々は名と計(ばか)り思(おも)へり。さ にては候(そうら)はず、体なり。体とは心にて候(そうろう)。章安(しょうあん)云(い)はく「蓋(けだ)し序王(じょおう)とは経の玄意(げんい)を叙(じょ)し、玄意は文(もん)の心を述(の)ぶ」云云。此(こ)の釈(しゃく)の心は妙法蓮華経と申すは文にあら(非)ず、義にあらず、一経の心なりと釈せられて候。されば題目をはな(離)れて法華経の心を尋(たず)ぬる者は、猿をはなれて肝(きも)をたづ(尋)ねしはかなき亀なり。山林(さんりん)をす(捨)てゝ菓(このみ)を大海(たいかい)の辺(ほとり)にもと(求)めし猿猴(えんこう)なり。はかなしはかなし。
(平成新編1188・御書全集1059・正宗聖典----・昭和新定[2]1747~1748・昭和定本[2]1410)
[建治03(1277)年11月28日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]