『最蓮房御返事(祈祷経送状)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 御札(ぎょさつ)の旨(むね)委細(いさい)承(うけたまわ)り候(そうら)ひ畢(おわ)んぬ。兼(か)ねては又(また)末法に入(い)りて法華経を持(たも)ち候(そうろう)者は、三類の強敵(ごうてき)を蒙(こうむ)り候はん事は、面拝(めんぱい)の時(とき)大概(おおむね)申し候ひ畢んぬ。仏の金言にて候(そうろう)上は不審(ふしん)を致(いた)すべからず候か。然(しか)らば則(すなわ)ち日蓮も此(こ)の法華経を信じ奉(たてまつ)り候ひて後は、或(あるい)は頭(こうべ)に疵(きず)を蒙り、或は打たれ、或は追(お)はれ、或は頸(くび)の座に臨(のぞ)み、或は流罪(るざい)せられ候ひし程(ほど)に、結句(けっく)は此の島まで遠流(おんる)せられ候ひぬ。何(いか)なる重罪の者も現在計(ばか)りこそ罪(つみ)科せられ候へ、日蓮は三世(さんぜ)の大難(だいなん)に値(あ)ひ候ひぬと存(ぞん)じ候。其(そ)の故(ゆえ)は現在の大難は今の如(ごと)し。過去の難は当世(とうせい)の諸人(しょにん)等が申す如くば、如来在世(ざいせい)の善星(ぜんしょう)・倶伽利(くがり)等の大悪人が、重罪の余習(よしゅう)を失(しっ)せずして如来の滅後に生まれて是(か)くの如く仏法に敵をなすと申し候是(これ)なり。
(平成新編0641・御書全集1356・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0946・昭和定本[1]0688)
[文永10(1273)年01月28日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
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