『当体義抄』(佐後)(秘) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 問(と)ふ、妙法蓮華経とは其(そ)の体(たい)何物ぞや。答(こた)ふ、十界の依正(えしょう)即(すなわ)ち妙法蓮華の当体(とうたい)なり。
 問ふ、若(も)し爾(しか)らば我等が如(ごと)き一切衆生も妙法の全体なりと云(い)はるべきか。答ふ、勿論(もちろん)なり。経に云はく「所謂諸法(しょいしょほう)乃至(ないし)本末究竟等(ほんまっくきょうとう)」云云。妙楽大師云はく「実相(じっそう)は必ず諸法、諸法は必ず十如、十如は必ず十界、十界は必ず身土(しんど)」云云。天台云はく「十如・十界・三千の諸法は今経(こんぎょう)の正体なるのみ」云云。南岳大師(なんがくだいし)云はく「云何(いか)なるを名づけて妙法蓮華経と為(な)すや。答ふ、妙とは衆生妙なるが故(ゆえ)に、法とは即ち是(これ)衆生法なるが故に」云云。又(また)天台釈(しゃく)して云はく「衆生法妙」云云。
(平成新編0692・御書全集0510・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1015・昭和定本[1]0757)
[文永10(1273)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[秘・国主信心あらんの後始めて之を申すべき秘蔵の法門(『当体義抄送状』)]
[※sasameyuki※]