『呵責謗法滅罪抄』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 然(しか)れども凡夫なれば動(やや)もすれば悔(く)ゆる心(こころ)有りぬべし。日蓮だにも是(か)くの如(ごと)く侍(はべ)るに、前後も弁(わきま)へざる女人(にょにん)なんどの、各(おのおの)仏法を見ほど(解)かせ給(たま)はぬが、何程(いかほど)か日蓮に付(つ)いてくや(悔)しとおぼ(思)すらんと心苦(こころぐる)しかりしに、案(あん)に相違(そうい)して日蓮よりも強盛(ごうじょう)の御志どもありと聞(き)こへ候(そうろう)は偏(ひとえ)に只事(ただごと)にあら(非)ず、教主釈尊の各の御心(みこころ)に入(い)り替(か)はらせ給ふかと思へば感涙(かんるい)押(お)さへ難(がた)し。妙楽大師の釈(しゃく)に云(い)はく[記七]「故(ゆえ)に知(し)んぬ、末代(まつだい)一時も聞くことを得(う)、聞き已(お)はって信を生ずる事(こと)宿種(しゅくしゅ)なるべし」等云云。又(また)云はく[弘二]「運(うん)像末に在(あ)りて此(こ)の真文(しんもん)を矚(み)る宿(むかし)妙因を殖(う)ゑたるに非(あら)ざれば実に値(あ)ひ難しと為(な)す」等云云。
(平成新編0712・御書全集1126・正宗聖典----・昭和新定[2]1039~1040・昭和定本[1]0781)
[文永10(1273)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
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