今末法に入(い)って此等(これら)の諸大士(しょ だいし)も皆(みな)本処に隠居(いんきょ)しぬ。其(そ)の外(ほか)の閻浮(えんぶ)守護の天神・地祇(ちぎ)も、或(あるい)は他方に去り、或は此土(しど)に住(じゅう)すれども悪国を守護せず、或は法味(ほうみ)を嘗(な)めざれば守護の力無し。例(れい)せば法身(ほっしん)の大士に非(あら)ざれば、三悪道(さんなくどう)に入(い)られざるが如(ごと)し。大苦(だいく)忍(しの)び難(がた)きが故(ゆえ)なり。而(しか)るに地涌千界(じゆせんがい)の大菩薩、一には娑婆世界(しゃばせかい)に住すること多塵劫(たじんごう)なり。二には釈尊に随(したが)って久遠(くおん)より已来(このかた)初発心(しょほっしん)の弟子なり。三には娑婆世界の衆生の最初下種(げしゅ)の菩薩なり。是(か)くの如(ごと)き等の宿縁(しゅくえん)の方便、諸大菩薩に超過(ちょうか)せり。
(平成新編0784・御書全集1032・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1147・昭和定本[1]0903)
[文永12(1275)年03月10日(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・日向筆 岩本実相寺 日法筆 岡宮光長寺 日澄筆 北山本門寺]
[※sasameyuki※]