寂滅道場(じゃくめつどうじょう)の砌(みぎり)には十方の諸仏示現(じげん)し、一切の大菩薩集会(しゅうえ)し給(たま)ひ、梵(ぼん)・帝(たい)・四天(してん)は衣をひるがへし、竜神八部は掌(たなごころ)を合(あ)はせ、凡夫(ぼんぷ)大根性の者は耳をそばだて、生身得忍(しょうじんとくにん)の諸菩薩・解脱月(げだつがつ)等請(しょう)をな(為)し給ひしかども、世尊は二乗作仏(にじょうさぶつ)・久遠実成(くおんじつじょう)をば名字(みょうじ)をかく(秘)し、即身成仏・一念三千の肝心其(そ)の義を宣(の)べ給はず。此等(これら)は偏(ひとえ)にこれ機は有りしかども時の来(き)たらざればの(宣)べさせ給はず。経に云(い)はく「説時(せつじ)未(いま)だ至(いた)らざるが故(ゆえ)なり」等云云。
(平成新編0834・御書全集0256・正宗聖典0175・昭和新定[2]1228~1229・昭和定本[2]1003)
[建治01(1275)年06月10日(佐後)]
[真跡・玉沢妙法華寺外四ヶ所 身延曾存(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]