『高橋殿御返事』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 其(そ)の上女人(にょにん)の御身(おんみ)として尼とな(成)らせ給(たま)ひて候(そうろう)なり。いよいよ申すに及(およ)ばず候。但(ただ)しさだ(定)めて念仏者にてやをはすらん。たうじ(当時)の念仏者・持斎(じさい)は国をほろ(亡)ぼし、他国の難をまね(招)くものにて候。日本国の人々は、一人(いちにん)もなく日蓮がかたき(敵)とな(成)り候(そうら)ひぬ。梵王(ぼんのう)・帝釈(たいしゃく)・日月・四天のせ(責)めをかほ(蒙)りて、たうじ(当時)のゆき(壱岐)・つしま(対馬)のやう(様)になり候はんずるに、いかゞせさせ給ふべき、いかゞせさせ給ふべき。なに(何)よりも入道殿の御所労(ごしょろう)なげ(嘆)き入(い)って候。しばらくい(生)きさせ給ひて、法華経を謗(ぼう)ずる世の中御覧(ごらん)あれと候へ。日本国の人々は、大体はい(生)けど(捕)りにせられ候はんずるなり。日蓮を二度までなが(流)し、法華経の五の巻をも(以)てかうべ(頭)を打ち候ひしは、こ(懲)り候はんずらむ。
(平成新編0894・御書全集1457・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1322~1323・昭和定本[2]1093~1094)
[建治01(1275)年07月26日(佐後)]
[古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]