法華経と申す御経(おきょう)は別の事も候(そうら)はず。我(われ)は過去五百塵点劫(じんでんごう)より先の仏なり、又(また)舎利弗(しゃりほつ)等は未来に仏にな(成)るべしと。これを信(しん)ぜざらん者は無間地獄に堕(お)つべし。我のみかう申すにはあら(非)ず、多宝仏(たほうぶつ)も証明し、十方の諸仏も舌(した)をいだしてかう候。地涌千界(じゆせんがい)・文殊(もんじゅ)・観音・梵天・帝釈・日・月・四天・十羅刹(じゅうらせつ)、法華経の行者を守護し給(たま)はんと説(と)かれたり。されば仏になる道は別のやう(様)なし。過去の事、未来の事を申しあ(当)てゝ候(そうろう)がまこと(真)の法華経にては候なり。
(平成新編0947~0948・御書全集0895・正宗聖典----・昭和新定[2]1426・昭和定本[2]1135~1136)
[建治02(1276)年01月11日(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]