然(しか)るに法華経と申す御経(おきょう)は身心(しんしん)の諸病の良薬(ろうやく)なり。されば経に云(い)はく「此(こ)の経は則(すなわ)ち為(こ)れ閻浮提(えんぶだい)の人の病(やまい)の良薬なり。若(も)し人(ひと)病有らんに是(こ)の経を聞くことを得(え)ば病即消滅して不老不死ならん」等云云。又(また)云はく「現世は安穏にして後生(ごしょう)は善処(ぜんしょ)ならん」等云云。又云はく「諸余(しょよ)の怨敵(おんてき)皆(みな)悉(ことごと)く摧滅(さいめつ)せん」等云云。取り分け奉(たてまつ)る御守りの方便品・寿量品、同じくは一部書きて進(まい)らせ度(た)く候(そうら)へども、当時(とうじ)は去り難(がた)き隙(ひま)ども入(い)る事(こと)候へば略して二品(にほん)奉り候(そうろう)。相構(あいかま)へ相構へて御身(おんみ)を離さず重ねつゝ(包)みて御所持(ごしょじ)有るべき者(もの)なり。
(平成新編1222~1223・御書全集1015・正宗聖典----・昭和新定[2]1820~1821・昭和定本[2]1496)
[弘安01(1278)年04月23日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]