然(しか)るに我等衆生は第六天の魔王の相伝の者、地獄・餓鬼・畜生等に押し籠(こ)められて気(いき)もつかず、朝夕獄卒(ごくそつ)を付けて責(せ)むる程に、兎角(とかく)して法華経に懸(か)かり付きぬれば、釈迦仏等の十方の仏の御子(みこ)とせさせ給へば、梵王・帝釈だにも恐れて寄り付かず、何(いか)に況(いわ)んや第六天の魔王をや。魔王は前には主なりしかども、今は敬ひ畏(おそ)れて、あ(悪)しうせば法華経十方の諸仏の御見参にあ(悪)しうや入(い)らんずらんと、恐れ畏(かしこ)みて供養をなすなり。何(いか)にしても六道の一切衆生をば、法華経へつ(付)けじとはげむなり。
(平成新編1480~1481・御書全集1396~1397・正宗聖典ーーーー・昭和新定[3]2124・昭和定本[2]1768~1769)
[弘安03(1280)年07月07日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]