問(と)ふ、真言亡国とは証文何(いか)なる経論に出(い)づるや。答(こた)ふ、法華誹謗(ほっけひぼう)・正法向背(こうはい)の故(ゆえ)なり。問ふ、亡国の証文之(これ)無(な)くば、云何(いか)に信ずべきや。答ふ、謗法の段は勿論(もちろん)なるか、若(も)し謗法ならば、亡国堕獄(だごく)疑(うたが)ひ無し。凡(およ)そ謗法とは謗仏謗僧なり。三宝一体なる故なり。是(これ)涅槃経の文なり。爰(ここ)を以(もっ)て法華経には「則(すなわ)ち一切世間の仏種(ぶっしゅ)を断ず」と説く。是を即(すなわ)ち一闡提(いっせんだい)と名づく。涅槃経の一と十と十一とを委細(いさい)に見るべきなり。
(平成新編0608・御書全集0142・正宗聖典----・昭和新定[1]0875・昭和定本[1]0649~0650)
[文永09(1272)年07月(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]