『高橋殿御返事』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 瓜(うり)一籠(ひとこ)、さゝげひげ(■[=頭-頁+工]豆髭)こ(籠)、えだまめ(枝豆)、ねいも(根芋)、かうのうり(瓜)給(た)び候(そうら)ひ了(おわ)んぬ。
 付法蔵経(ふほうぞうきょう)と申す経には、いさご(沙)のもちゐ(餅)を仏に供養(くよう)しまいらせしわらは(童)、百年と申せしに一閻浮提(いちえんぶだい)の四分が一の王となる。所謂(いわゆる)阿育大王(あそかだいそう)これなり。法華経の法師品には「而於一劫中(においっこうちゅう)」と申して、一劫が間釈迦仏を種々に供養せる人の功徳(くどく)と、末代の法華経の行者を須臾(しゅゆ)も供養せる功徳とたくら(比)べ候に「其(そ)の福(ふく)復(また)彼(か)に過(す)ぐ」と申して、法華経の行者を供養する功徳はすぐ(勝)れたり。これを妙楽大師(みょうらくだいし)釈(しゃく)して云(い)はく「供養すること有(あ)らん者は福十号(じゅうごう)に過ぐ」と云云。されば仏を供養する功徳よりもすぐれて候なれば、仏にならせ給(たま)はん事疑ひなし。
(平成新編0893~0894・御書全集1457・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1322・昭和定本[2]1093)
[建治01(1275)年07月26日(佐後)]
[古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]