『報恩抄』(佐後)[曾存・古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 随(したが)って法華経の文を開き奉(たてまつ)れば「此(こ)の法華経は諸経の中に於(おい)て最(もっと)も其(そ)上に在(あ)り」等云云。此の経文のごと(如)くば須弥山(しゅみせん)の頂(いただき)に帝釈の居(お)るがごとく、輪王(りんのう)の頂に如意宝珠(にょいほうじゅ)のあるがごとく、衆木(しゅぼく)の頂に月のやど(宿)るがごとく、諸仏の頂上に肉髻(にくけい)の住(じゅう)せるがごとく、此の法華経は華厳経・大日経・涅槃経等の一切経の頂上の如意宝珠なり。されば専(もっぱ)ら論師(ろんし)・人師(にんし)をす(捨)てゝ経文に依(よ)るならば大日経・華厳経等に法華経の勝れ給(たま)へることは、日輪の青天(せいてん)に出現せる時、眼(まなこ)あきらかなる者の天地を見るがごとく高下宛然(こうげおんねん)なり。
(平成新編1000~1001・御書全集0294~0295・正宗聖典0228・昭和新定[2]1487・昭和定本[2]1194~1195)
[建治02(1276)年07月21日(佐後)]
[真跡・池上本門寺外五ヶ所(10%未満現存) 身延曾存、古写本・日舜筆 富士大石寺 日乾筆 京都本満寺]
[※sasameyuki※]