法華経と申すは随自意(ずいじい)と申して仏の御心(みこころ)をと(説)かせ給ふ。仏の御心はよき心なるゆへ(故)に、たとい(仮令)し(知)らざる人も此(こ)の経をよ(読)みたてまつ(奉)れば利益(りやく)はか(計)りなし。麻(あさ)の中のよもぎ(蓬)・つゝ(筒)の中のくちなは(蛇)・よき人にむつ(睦)ぶもの、なに(何)となけれども心もふ(振)るま(舞)ひもなを(直)しくなるなり。法華経もかくのごとし。なにとなけれどもこの経を信じぬる人をば仏のよき物とをぼ(思)すなり。
(平成新編1212・御書全集1590~1591・正宗聖典----・昭和新定[3]1945・昭和定本[2]1611)
[弘安01(1278)年春"弘安01(1278)年"(佐後)]
[真跡・富士大石寺(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]