滝王丸之を遣使さる。
昔(むかし)国王は自身を以て床座(しょうざ)と為(な)し、千才の間阿私仙(あしせん)に仕(つか)へ奉り妙法蓮華経の五字を習ひ持(たも)つ、今の釈尊是(これ)なり。今の施主妙一比丘尼は貧道の身を扶(たす)けんとて小童に命じ、之を使はして法華経の行者に仕へ奉らしむ。彼は国王此は卑賎。彼は国に畏(おそ)れ無し、此は勅勘の身。此は末代の凡女、彼は上代の聖人なり。志(こころざし)既に彼に超過す。来果何ぞ斉等ならざらんや。何ぞ斉等ならざらんや。
弁殿は今年は鎌倉に住して衆生を教化せよ。恐々謹言。
(平成新編0663・御書全集ーーーー・正宗聖典----・昭和新定[2]0977・昭和定本[1]0722)
[文永10(1273)年04月26日(佐後)]
[真跡・近江八幡瑞竜寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]