「其の中の衆生は悉(ことごと)く是(これ)吾が子なり。而(しか)も今此(こ)の処は諸(もろもろ)の患難(げんなん)多し。唯我一人のみ能(よ)く救護(くご)を為(な)す」等云云。此の経文は釈尊は三義を備(そな)へ阿弥陀等の諸仏は三義欠けたり。此の義前々の如し。但し唯我一人の経文は小乗経の語にも非ず、諸大乗経の帯権赴機(たいごんふき)の説にも非ず、多宝十方の仏の証明を加(くわ)えし金言なり。今の念仏者等の賢父の教言なり、明王の奉詔(ほうしょう)なり、聖師の教訓なり。三義に背き二十逆罪を犯し入阿鼻獄(にゅうあびごく)の人と成る事悲しむべし悲しむべし。是(これ)は法華経の初門の法門なり。次第に深く之(これ)を説かん云云。
(平成新編0926~0927・御書全集ーーーー・正宗聖典----・昭和新定[2]1403・昭和定本[1]0795)
[建治01(1275)年"文永10(1273)年"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]