夫(それ)常啼菩薩(じょうたいぼさつ)は東に向かひて般若(はんにゃ)を求め、善財童子(ぜんざいどうじ)は南に向かひて華厳を得る。雪山(せっせん)の小児は半偈(はんげ)に身を投げ、楽法梵志(ぎょうぼうぼんじ)は一偈に皮を剥(は)ぐ。此等(これら)は皆上聖(じょうせい)大人(だいにん)なり。其の迹(あと)を検すれば地住(じじゅう)に居し、其の本(もと)を尋ぬれば等妙(とうみょう)なるのみ。身は八熱に入(い)りて火坑三昧(かきょうざんまい)を得、心は八寒に入りて清涼三昧(しょうりょうざんまい)を証し、身心共に苦無し。譬(たと)へば矢を放(はな)ちて虚空(こくう)を射(い)、石を握りて水に投(とう)ずるが如し。
(平成新編0957・御書全集0977・正宗聖典----・昭和新定[2]1439・昭和定本[2]1150)
[建治02(1276)年03月30日"建治02(1276)年03月""建治02(1276)年"(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・信伝筆"日澄筆" 北山本門寺]
[※sasameyuki※]