平城(へいぜい)天皇の御宇(ぎょう)に八幡の御託宣(ごたくせん)に云はく「我は是日本の鎮守(ちんじゅ)八幡大菩薩なり。百王を守護せん誓願(せいがん)有り」等云云。今云はく、人王八十一・二代隠岐(おき)の法皇、三・四・五の諸皇已(すで)に破られ畢(おわ)んぬ。残る二十余代今捨て畢んぬ。已に此(こ)の願破るゝがごとし。日蓮料簡(りょうけん)して云はく、百王を守護せんとい(云)ふは正直の王百人を守護せんと誓ひ給ふ。八幡の御誓願に云はく「正直の人の頂(いただき)を以(もっ)て栖(すみか)と為(な)し、諂曲(てんごく)の人の心を以て亭(やど)らず」等云云。夫(それ)月は清水に影をやどす、濁水にすむ事なし。王と申すは不妄語の人、右大将家・権の大夫殿は不妄語の人、正直の頂、八幡大菩薩の栖(す)む百王の内なり。
(平成新編1542・御書全集0587・正宗聖典ーーーー・昭和新定[3]2213~2214・昭和定本[2]1847~1848)
[弘安03(1280)年12月(佐後)]
[真跡・富士大石寺(70%以上100%未満現存) 身延曾存]
[秘・八幡大菩薩と梵天・帝釈の関係等]
[※sasameyuki※]