問うて云はく、如来滅後二千余年に竜樹・天親・天台・伝教の残したま(給)へる所の秘法何物ぞや。答へて曰く、本門の本尊と戒壇と題目の五字となり。問うて曰く、正像等に何ぞ弘通せざるや。答へて曰く、正像に之を弘通せば小乗・権大乗・迹門の法門一時に滅尽(めつじん)すべきなり。問うて曰く、仏法を滅尽せるの法何ぞ之を弘通せんや。答へて曰く、末法に於ては大小・権実・顕密、共に教のみ有って得道無し。一閻浮提(いちえんぶだい)皆(みな)謗法と為(な)り了(おわ)んぬ。逆縁の為には但(ただ)妙法蓮華経の五字に限る。例せば不軽品の如し。我が門弟は順縁、日本国は逆縁なり。
(平成新編0736・御書全集0336・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1074・昭和定本[1]0815~0816)
[文永11(1274)年05月24日(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(70%以上100%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺 日目筆 富士大石寺 日澄筆 北山本門寺]
[※sasameyuki※]