問うて云はく、仏の名号を持(たも)つ様に、法華経の名号を取り分けて持つべき証拠ありや、如何。答へて云はく、経に云はく「仏諸(もろもろ)の羅刹女(らせつにょ)に告げたまはく、善きかな善きかな、汝等(なんだち)但(ただ)能(よ)く法華の名を受持する者を擁護(おうご)せん福(ふく)量(はか)るべからず」云云。此の文の意は、十羅刹の法華の名を持つ人を護らんと誓言を立て給へるを、大覚世尊讃(ほ)めて言(のたま)はく、善きかな善きかな、汝等(なんだち)南無妙法蓮華経と受け持たん人を守らん功徳、いくら程とも計りがたくめでたき功徳なり、神妙なり、と仰せられたる文なり。是(これ)我等衆生の行住坐臥(ぎょうじゅうざが)に南無妙法蓮華経と唱ふべしと云ふ文なり。
(平成新編1320・御書全集0556~0557・正宗聖典----・昭和新定[2]1646・昭和定本[2]1432)
[弘安01(1278)年"建治03(1277)年03月""建治03(1277)年"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]