『顕仏未来記』(佐後)[曾存・古写本] | 細雪の物置小屋

細雪の物置小屋

御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 法華経の第七に云はく「我が滅度の後、後五百歳の中に閻浮提(えんぶだい)に広宣流布して断絶せしむること無(な)けん」等云云。予(よ)一(ひと)たびは歎(なげ)いて云はく、仏滅後既に二千二百二十余年を隔(へだ)つ。何(いか)なる罪業に依(よ)って仏の在世に生まれず、正法の四依、像法の中の天台・伝教等にも値(あ)はざるやと。亦(また)一たびは喜んで云はく、何なる幸ひあって後五百歳に生まれて此の真文を拝見することぞや。在世も無益なり、前四味の人は未(いま)だ法華経を聞かず。正像も又由(よし)無し、南三北七並びに華厳・真言等の学者は法華経を信ぜず。天台大師云はく「後五百歳遠く妙道に沾(うるお)はん」等云云。広宣流布の時を指すか。伝教大師云はく「正像稍(やや)過ぎ已(お)はって末法太(はなは)だ近きに有り」等云云。末法の始めを願楽(がんぎょう)するの言なり。時代を以(もっ)て果報を論ずれば、竜樹・天親に超過し天台・伝教にも勝るゝなり。
(平成新編0675・御書全集0505~0506・正宗聖典----・昭和新定[2]0994~0995・昭和定本[1]0738~0739)
[文永10(1273)年閏05月11日(佐後)]
[真跡・身延曾存、古写本・日進筆 身延久遠寺]
[※sasameyuki※]