抑(そもそも)貴辺の去(い)ぬる三月の御仏事に鵞目(がもく)其の数有りしかば、今年一百余人の人を山中にやしなひて、十二時の法華経をよましめ談義して候ぞ。此ら(等)は末代悪世には一えんぶだい(閻浮提)第一の仏事にてこそ候へ。いくそばくか過去の聖霊もうれしくをぼ(思)すらん。釈尊は孝養の人を世尊となづけ給へり。貴辺あに世尊にあらずや。故(こ)大進阿闍梨の事なげかしく候へども、此又(これまた)法華経の流布の出来すべきいんえん(因縁)にてや候らんとをぼしめすべし。事々命なが(永)らへば其の時申すべし。
(平成新編1386・御書全集1065・正宗聖典----・昭和新定[3]2011・昭和定本[2]1664)
[弘安02(1279)年08月11日"弘安02(1279)年08月17日"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]