念仏は無間地獄(むけんじごく)の業因(ごういん)なり。法華経は成仏得道(とくどう)の直路(じきろ)なり。早く浄土宗を捨て法華経を持(たも)ち、生死(しょうじ)を離れ菩提(ぼだい)を得(う)べき事。法華経の第二譬喩品に云はく「若し人信ぜずして此(こ)の経を毀謗(きぼう)せば、則ち一切世間の仏種(ぶっしゅ)を断ぜん。其の人命終(みょうじゅう)して阿鼻獄(あびごく)に入(い)らん。一劫(こう)を具足(ぐそく)して劫尽き更(また)生まれん。是(か)くの如く展転(てんでん)して無数劫に至らん」云云。此の文の如くんば方便の念仏を信じて、真実の法華を信ぜざらん者は、無間地獄に堕(お)つべきなり。
(平成新編0038・御書全集0097・正宗聖典----・昭和新定[1]0117・昭和定本[1]0034)
[建長07(1255)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]