『開目抄 下』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 此等はさてをく。我が一門の者のためにしるす。他人は信ぜざれば逆縁なるべし。一■(=清-青+帝)(いってい)をなめて大海のしを(潮)をしり、一華を見て春を推せよ。万里をわた(渡)って宋(そう)に入らずとも、三箇年を経て霊山にいたらずとも、竜樹のごとく竜宮に入らずとも、無著菩薩(むじゃくぼさつ)のごとく弥勒菩薩(みろくぼさつ)にあはずとも、二処三会(さんね)に値(あ)はずとも、一代の勝劣はこれをしれるなるべし。蛇は七日が内の洪水(こうずい)をしる、竜の眷属なるゆへ。烏は年中の吉凶をしれり、過去に陰陽師なりしゆへ。鳥は飛ぶ徳、人にすぐれたり。日蓮は諸経の勝劣をしること、華厳の澄観、三論の嘉祥(かじょう)、法相の慈恩、真言の弘法にすぐれたり。天台・伝教の跡をしのぶゆへなり。彼の人々は天台・伝教に帰せさせ給はずは、謗法の失(とが)、脱(のが)れさせ給ふべしや。当世、日本国に第一に富める者は日蓮なるべし。命は法華経にたてまつる。名をば後代に留(とど)むべし。大海の主となれば、諸の河神皆したがう。須弥山(しゅみせん)の王に諸の山神したがわざるべしや。法華経の六難九易を弁(わきま)ふれば一切経よまざるにしたがうべし。
(平成新編0562・御書全集0222~0223・正宗聖典0121~0122・昭和新定[1]0812~0813・昭和定本[1]0588~0589)
[文永09(1272)年02月(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]