『妙法比丘尼御返事』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 佐渡国にありし時は、里より遥かにへだたれる野と山との中間につかはら(塚原)と申す御三昧所(さんまいしょ)あり。彼処(かしこ)に一間四面の堂あり。そら(天)はいたま(板間)あわず、四壁はやぶ(壊)れたり。雨はそと(外)の如し、雪は内に積もる。仏はおは(御座)せず、莚(むしろ)・畳(たたみ)は一枚もなし。然(しか)れども我が根本より持ちまいらせて候教主釈尊を立てまいらせ、法華経を手ににぎり、簑(みの)をき(着)笠をさして居たりしかども、人もみへず食もあたへずして四箇年なり。彼の蘇武(そぶ)が胡国(ここく)にとめられて十九年が間、簑をき、雪を食としてありしが如し。
(平成新編1264・御書全集1413~1414・正宗聖典----・昭和新定[2]1888~1889・昭和定本[2]1563)
[弘安01(1278)年09月06日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]