いゑ(家)のいも(芋)一駄・ごばう(牛蒡)一づと(苞)・大根六本。いもは石のごとし、ごばう(牛蒡)は大牛の角(つの)のごとし。大根は大仏堂の大くぎのごとし。あぢわひは■(=情-青+刀)利天(とうりてん)の甘露(かんろ)のごとし。石を金(こがね)にかうる国もあり、土をこめ(米)にうるところもあり。千金の金をもてる者もう(飢)えてし(死)ぬ、一飯をつと(苞)につゝめる者にこれをと(劣)れり。経に云はく「う(飢)えたるよ(世)にはよね(米)たっと(尊)し」云云。一切の事は国により時による事なり。仏法は此の道理をわきまうべきにて候。又々申すべし。恐々謹言。
(平成新編1570・御書全集1579・正宗聖典----・昭和新定[3]2248・昭和定本[2]1885)
[弘安04(1281)年09月20日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]