『法華行者値難事(法華行者逢難事)』(佐後)[真跡・古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 追って申す。竜樹・天親は共に千部の論師なり。但権大乗を申(の)べて法華経をば心に存して口に吐きたまはず 此に口伝有り。 天台・伝教は之を宣(の)べて本門の本尊と四菩薩・戒壇・南無妙法蓮華経の五字と、之を残したまふ。所詮、一には仏授与したまはざるが故に、二には時機未熟の故なり。今既に時来たれり、四菩薩出現したまはんか。日蓮此の事先づ之を知りぬ。西王母(せいおうぼ)の先祖には青鳥(せいちょう)、客人の来相には■(=干+鳥)鵲(かんじゃく)是なり。各々我が弟子たらん者は深く此の由を存ぜよ。設ひ身命に及ぶとも退転すること莫(なか)れ。

 富木・三郎左衛門尉・河野辺(かわのべ)等・大和阿闍梨(やまとあじゃり)等の殿原(とのばら)御房達、各々互ひに読み聞けまいらせさせ給へ。かゝる浮き世には互ひにつねにいゐあわせて、ひまもなく後世ねがわせ給ひ候へ。
(平成新編0720~0721・御書全集0965・正宗聖典1001~1002・昭和新定[2]1055~1056・昭和定本[1]0798~0799)
[文永11(1274)年01月14日(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・日進筆 身延山久遠寺]
[※sasameyuki※]