『可延定業御書(可延定業書・依法華経可延定業抄)』(佐後)[真跡] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 富木殿も此の尼ごぜんをこそ杖(つえ)柱(はしら)とも恃(たの)みたるに、なんど申して候ひしなり。随分にわび候ひしぞ。きわめてまけじだまし(不負魂)の人にて、我がかたの事をば大事と申す人なり。かへすがへす身の財(たから)をだにを(惜)しませ給わば此の病治しがた(難)かるべし。一日の命は三千界の財にもすぎて候なり。先づ御志をみゝへ(得)させ給ふべし。法華経の第七の巻に、三千大千世界の財を供養するよりも手の一指を焼きて仏・法華経に供養せよとと(説)かれて候はこれなり。命は三千にもすぎて候。而るに齢(よわい)もいまだたけさせ給はず、而も法華経にあわせ給ひぬ。一日もいきてをは(御座)せば功徳つ(積)もるべし。あらを(惜)しの命や、あらをしの命や。御姓名並びに御年を我とか(書)ゝせ給ひて、わざとつかわせ。大日月天に申しあぐべし。いよどの(伊予殿)もあながちになげ(嘆)き候へば、日月天に自我偈をあて候はんずるなり。恐々謹言。
(平成新編0761・御書全集0986・正宗聖典----・昭和新定[2]1128・昭和定本[1]0863~0864)
[文永12(1275)年02月07日"弘安02(1279)年"(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]