日蓮は少(わか)きより今生のいのりなし。只仏にならんとをもふ計りなり。されども殿の御事をばひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり。其の故は法華経の命を継ぐ人なればと思ふなり。穴賢穴賢。あらかるべからず。吾が家にあらずんば人に寄り合ふ事なかれ。又夜廻りの殿原はひとりもたのもしき事はなけれども、法華経の故に屋敷を取られたる人々なり。常はむつ(眤)ばせ給ふべし。又夜の用心の為と申し、かたがた殿の守りとなるべし。吾が方の人々をば少々の事をばみずきかずあるべし。
(平成新編1179・御書全集1169・正宗聖典----・昭和新定[2]1767・昭和定本[2]1384~1385)
[建治03(1277)年秋"建治03(1277)年"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]