『四条金吾殿御返事(八風抄・八風等眞言破事)』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 訴訟を申せど叶ひぬべき事もあり、申さぬに叶ふべきを申せば叶はぬ事も候。夜めぐりの殿原の訴訟は、申すは叶ひぬべきよしをかんがへて候ひしに、あながちになげかれし上、日蓮がゆへにめされて候へば、いかでか不便に候はざるべき。たゞし訴訟だにも申し給はずば、いのりてみ候はんと申せしかば、さうけ(承)給はり候ひぬと約束ありて、又を(折)りがみ(紙)をしきりにかき、人々訴訟、ろんなんどありと申せし時に、此の訴訟よも叶はじとをもひ候ひしが、いま(今)までのびて候。だいがくどの(大学殿)ゑもん(衛門)のたいうどの(大夫殿)の事どもは申すまゝにて候あいだ、いのり叶ひたるやうにみえて候。はきり(波木井)どのの事は法門は御信用あるやうに候へども、此の訴訟は申すまゝには御用ひなかりしかば、いかんがと存じて候ひしほどに、さりとてはと申して候ひしゆへにや候ひけん、すこし、しるし候か。これにをも(思)うほど(程)なかりしゆへに又をもうほどなし。だんな(檀那)と師とをも(思)ひあ(合)わぬいの(祈)りは、水の上に火をた(焚)くがごとし。又だんなと師とをもひあひて候へども、大法を小法をもってをか(犯)してとし(年)ひさ(久)しき人々の御いのりは叶ひ候はぬ上、我が身もだんなもほろび候なり。
(平成新編1117~1118・御書全集1151・正宗聖典----・昭和新定[2]1752~1753・昭和定本[2]1302~1303)
[建治03(1277)年04月"建治03(1277)年"(佐後)]
[真跡・京都妙覚寺(10%未満現存) 身延曾存]
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