『聖愚問答抄 下』(佐前) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

嬰児に乳をふくむるに、其の味をしらずといへども自然に其の身を生長す。医師(くすし)が病者に薬を与ふるに、病者薬の根源をしらずといへども服すれば任運(にんぬん)と病愈(い)ゆ。若し薬の源をしらずと云ひて、医師の与ふる薬を服せずば其の病癒ゆべしや。薬を知るも知らざるも服すれば病の愈(い)ゆる事以て是同じ。既に仏を良医と号し法を良薬に譬へ衆生を病人に譬ふ。されば如来一代の教法を擣■(=管-官+徙)和合(とうしわごう)して妙法一粒の良薬に丸せり。豈(あに)知るも知らざるも服せん者煩悩の病ひ愈えざるべしや。病者は薬をもしらず病をも弁へずといへども服すれば必ず愈ゆ。行者も亦然なり。法理をもしらず煩悩をもしらずといへども、只信ずれば見思(けんじ)・塵沙(じんじゃ)・無明の三惑の病を同時に断じて、実報(じっぽう)寂光の台(うてな)にのぼり、本有三身の膚(はだえ)を磨かん事疑ひあるべからず。
(平成新編0407~0408・御書全集0499・正宗聖典----・昭和新定[1]0619~0620・昭和定本[1]0389)
["文永05(1268)年""文永02(1265)年"(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]