『秋元御書(筒御器抄)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 謗国(ぼうこく)と申すは、謗法の者其の国に住すれば其の一国皆無間大城になるなり。大海へは一切の水集まり、其の国は一切の禍(わざわい)集まる。譬へば山に草木の滋(しげ)きが如し。三災月々に重なり、七難日々に来たる。飢渇(けかち)発(お)これば其の国餓鬼道と変じ、疫病重なれば其の国地獄道となる。軍(いくさ)起これば其の国修羅道と変ず。父母・兄弟・姉妹を簡(えら)ばず、妻とし、夫と憑(たの)めば其の国畜生道となる。死して三悪道に堕つるにはあらず。現身に其の国四悪道と変ずるなり。此を謗国と申す。例せば大荘厳仏(だいしょうごんぶつ)の末法、師子音王仏(ししおんのうぶつ)の濁世(じょくせ)の人々の如し。又報恩経に説かれて候が如きんば、過去せる父母・兄弟・姉妹一切の人死せるを食し、又生きたるを食す。今日本国亦復(またまた)是くの如し。真言師・禅宗・持斎(じさい)等人を食する者国中に充満せり。是偏(ひとえ)に真言の邪法より事起これり。竜象房が人を食らひしは万が一つ顕はれたるなり。彼に習ひて人の肉を或は猪鹿に交へ、或は魚鳥に切り雑(まじ)へ、或はたゝき加へ、或はすし(鮨)として売る。食する者数を知らず。皆天に捨てられ、守護の善神に放されたるが故なり。結句は此の国他国より責められ。自国どし(同志)打ちして、此の国変じて無間地獄と成るべし。日蓮此の大なる失(とが)を兼ねて見し故に、与同罪の失を脱れんが為、仏の呵責(かしゃく)を思ふ故に、知恩報恩の為国の恩を報ぜんと思ひて、国主並びに一切衆生に告げ知らしめしなり。
(平成新編1450~1451・御書全集1074~1075・正宗聖典----・昭和新定[3]2081~2082・昭和定本[2]1735)
[弘安03(1280)年01月27日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]