御親父祈祷の事承り候間仏前にて祈念申すべく候。祈祷に於ては顕祈顕応(けんきけんのう)・顕祈冥応(けんきみょうおう)・冥祈冥応(みょうきみょうおう)・冥祈顕応(みょうきけんのう)の祈祷有りと雖も、只肝要は、此の経の信心を致し給ひ候はゞ、現当の所願満足有るべく候。法華第三に云はく「魔及び魔民有りと雖も皆仏法を護る」と。第七に云はく「病即消滅して不老不死ならん」との金言之を疑ふべからず。妙一尼御前当山参詣有り難く候。巻物一巻之を進(まい)らせ候。披見(ひけん)有るべく候。南無妙法蓮華経。
(平成新編1041・御書全集1242・正宗聖典----・昭和新定[2]1550・昭和定本[2]1256)
[建治02(1276)年08月10日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]