先立ってより申し候、但在家の御身は余念もなく日夜朝夕南無妙法蓮華経と唱へ候ひて、最後臨終の時を見させ給へ。妙覚の山に走り登り四方を御覧ぜよ。法界は寂光土にして瑠璃を以て地とし、金縄(こがねのなわ)を以て八つの道をさかひ、天(そら)より四種の花ふり、虚空に音楽聞こえ、諸仏菩薩は皆常楽我浄の風にそよめき給へば、我等も必ず其の数に列(つら)ならん。法華経はかゝるいみじき御経にてをはしまいらせ候。委細はいそぎ候間申さず候。恐々謹言。
(平成新編1169・御書全集1388・正宗聖典----・昭和新定[2]1727・昭和定本[2]1389~1390)
[建治03(1277)年09月09日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]