『御講聞書(日向記)』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

一 一念信解の事
 仰せに云はく、此の経文は一念三千の宝珠を納めたる函(はこ)なり。此は現在の四信の初めの一念信解なり。さて滅後の五品の初めの十心具足初随喜品も、一念三千の宝を積みたる函なり。法華経の骨髄、末法に於て法華経を修行する相貌分明なり。所詮信と随喜とは心同じなり。随喜するは信心なり、信心するは随喜なり。一念三千の法門は信心随喜の函に納まりたり。又函とは所謂南無妙法蓮華経是なり。又此の函は我等が一心なり。此の一心は万法の総体なり。総体は題目の五字なり。一念三千と云ふが如く一心三千もあり。釈に云はく「介爾(けに)も心有れば即ち三千を具す」と。又宝函(ほうかん)とは我等が色心の二法なり。本迹両門・生死の二法、止観の二法なり。所詮信心の篋(はこ)に入れたる南無妙法蓮華経の函なり云云。
(平成新編1848~1849・御書全集0835・正宗聖典----・昭和新定[3]2912・昭和定本[3]2579~2580)
[弘安01(1278)年03月19日~弘安03(1280)年05月28日(佐後)]
[古写本・京都要法寺、戸田妙顕寺]
[※sasameyuki※]