弘安三年十一月八日、尼日厳の立て申す立願の願書、並びに御布施の銭一貫文、又たふかたびら一つ、法華経の御宝前並びに日月天に申し上げ候ひ畢んぬ。其の上は私に計り申すに及ばず候。叶ひ叶はぬは御信心により候べし。全く日蓮がとがにあらず。水すめば月うつる、風ふけば木ゆるぐごとく、みなの御心は水のごとし。信のよはきはにごるがごとし。信心のいさぎよきはすめるがごとし。木は道理のごとし、風のゆるがすは経文をよむがごとしとをぼしめせ。恐々。
(平成新編1519~1520・御書全集1262・正宗聖典1018・昭和新定[3]2184・昭和定本[2]1819)
[弘安03(1280)年11月29日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]