抑法華経をよくよく信じたらん男女をば、肩にになひ、背におうべきよし経文に見えて候上、くまらゑん三蔵と申せし人をば木像の釈迦をわせ給ひて候ひしぞかし。日蓮が頭には大覚世尊かはらせ給ひぬ。昔と今と一同なり。各々は日蓮が檀那なり。争でか仏にならせ給はざるべき。
いかなる男をせさせ給ふとも、法華経のかたきならば随ひ給ふべからず。いよいよ強盛の御志あるべし。氷は水より出でたれども水よりもすさまじ。青き事は藍より出でたれどもかさぬれば藍よりも色まさる。同じ法華経にてはをはすれども、志をかさぬれば他人よりも色まさり利生もあるべきなり。
(平成新編0897~0898・御書全集1221・正宗聖典1017・昭和新定[2]1328~1329・昭和定本[2]1099~1100)
[建治01(1275)年08月04日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]