『顕立正意抄』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

又立正安国論に云はく「若し執心翻らず、亦曲意猶存せば早く有為の郷を辞して必ず無間の獄に堕ちなん」等云云。今符合するを以て未来を案ずるに、日本国上下万人阿鼻大城に堕せんこと大地を的と為すが如し。此等は且く之を置く。日蓮が弟子等又此の大難脱れ難きか。彼の不軽軽毀の衆は現身に信伏随従の四字を加ふれども猶先謗の強きに依って先づ阿鼻大城に堕し、千劫を経歴して大苦悩を受く。今日蓮が弟子等も亦是くの如し。或は信じ或は伏し、或は随ひ或は従ふ。但名のみ之を仮りて心中に染まらざる信心薄き者は、設ひ千劫をば経ずとも或は一無間或は二無間乃至十百無間疑ひ無からん者か。是を免れんと欲せば各薬王・楽法の如く臂を焼き皮を剥ぎ、雪山・国王等の如く身を投げ心を仕へよ。若し爾らずんば五体を地に投げ遍身に汗を流せ。若し爾らずんば珍宝を以て仏前に積め。若し爾らずんば奴婢となって持者に奉へよ。若し爾らずんば等云云。四悉檀を以て時に適ふのみ。我が弟子等の中にも信心薄淡き者は臨終の時阿鼻獄の相を現ずべし。其の時我を恨むべからず等云云。
(平成新編0750~0751・御書全集0537・正宗聖典----・昭和新定[2]1093~1094・昭和定本[1]0841~0842)
[文永11(1274)年12月15日(佐後)]
[古写本・日春筆 沼津光長寺]
[※sasameyuki※]