『新池御書』(佐後) | 細雪の物置小屋

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御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

雪山の寒苦鳥は寒苦にせめられて、夜明けなば栖つくらんと鳴くといへども、日出でぬれば朝日のあたゝかなるに眠り忘れて、又栖をつくらずして一生虚しく鳴くことをう。一切衆生も亦復是くの如し。地獄に堕ちて炎にむせぶ時は、願はくは今度人間に生まれて諸事を閣いて三宝を供養し、後世菩提をたすからんと願へども、たまたま人間に来たる時は、名聞名利の風はげしく、仏道修行の灯は消えやすし。無益の事には財宝をつくすにおしからず。仏法僧にすこしの供養をなすには是をものうく思ふ事、これたゞごとにあらず、地獄の使ひのきをうものなり。寸善尺魔と申すは是なり。
(平成新編1457~1458・御書全集1440・正宗聖典----・昭和新定[3]2092・昭和定本[3]2121)
["弘安03(1280)年12月""弘安03(1280)年02月"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]