『土籠御書』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 日蓮は明日佐渡国へまかるなり。今夜のさむきに付けても、ろうのうちのありさま、思ひやられていたはしくこそ候へ。あはれ殿は、法華経一部を色心二法共にあそばしたる御身なれば、父母・六親・一切衆生をもたすけ給ふべき御身なり。法華経を余人のよみ候は、口ばかりことばばかりはよめども心はよまず、心はよめども身によまず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ。「天の諸の童子、以て給使を為さん、刀杖も加へず、毒も害すること能はじ」と説かれて候へば、別の事はあるべからず。籠をばし出でさせ給ひ候はゞ、とくとくきたり給へ。見たてまつり、見えたてまつらん。恐々謹言。
(平成新編0483・御書全集1213・正宗聖典----・昭和新定[1]0723・昭和定本[1]0509~0510)
[文永08(1271)年10月09日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]