『松野殿御返事(十四誹謗抄)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

夢の憂き世を捨てゝ寤の覚りを求めんにはと思惟し、彼の山に籠りて観念の床の上に妄想顛倒の塵を払ひ、偏に仏法を求め給ふ所に、帝釈遥かに天より見下ろし給ひて思し食さるゝ様は、魚の子は多けれども魚となるは少なく、菴羅樹の花は多くさけども菓になるは少なし。人も又此くの如し。菩提心を発こす人は多けれども退せずして実の道に入る者は少なし。都て凡夫の菩提心は多く悪縁にたぼらかされ、事にふれて移りやすき物なり。鎧を著たる兵者は多けれども、戦に恐れをなさゞるは少なきが如し。
(平成新編1048~1049・御書全集1384・正宗聖典----・昭和新定[2]1561~1562・昭和定本[2]1268~1269)
[建治02(1276)年12月09日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]