『妙一女御返事(真言法華即身成仏抄)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

日蓮が二度の流罪、結句は頸に及びしは、釈迦・多宝・十方の諸仏の御頸を切らんとする人ぞかし。日月は一人にてをはせども、四天下の一切衆生の眼なり、命なり。日月は仏法をなめて威光勢力を増し給ふと見へて候。仏法のあぢわいをたがうる人は日月の御力をうばう人、一切衆生の敵なり。いかに日月は光を放ちて、彼等が頂をてらし、寿命と衣食とをあたへて、やしなひ給ふぞ。彼の三大師の御弟子等が法華経を誹謗するは、偏に日月の御心を入れさせ給ひて謗ぜさせ給ふか。其の義なくして日蓮がひが事ならば、日天もしめし、彼等にもめしあはせ、其の理にまけてありとも、其の心ひるがへらずば天寿をもめしとれかし。
 其の義はなくして、たゞ理不尽に彼等にさるの子を犬にあづけ、ねづみの子を猫にたぶやうにうちあづけて、さんざんにせめさせ給ひて彼等を罰し給はぬ事、心へられず。日蓮は日月の御ためには、をそらくは大事の御かたきなり。教主釈尊の御前にて、かならずうたへ申すべし。其の時うらみさせ給ふなよ。日月にあらずとも地神も海神もきかれよ、日本の守護神もきかるべし。あへて日蓮が曲意はなきなり。いそぎいそぎ御計らひあるべし。ちゝせさせ給ひて日蓮をうらみさせ給ふなよ。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。恐々。
(平成新編1488~1489・御書全集1259~1260・正宗聖典----・昭和新定[3]2131~2132・昭和定本[2]1782~1783)
[弘安03(1280)年07月14日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]